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不安がいっぱい!!
2006年 ヨーロッパ ふたりぼっち

旅の11日目

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さよならミュンヘン

69

ドイツを発つ朝がやってきました。

ジュネーブで乗り換え最終目的地パリへ向かいます。

ユミさんご夫婦が朝から愛車アウディで、お迎えに来てくださいました。

ご主人は、私たちのために、バイエルンの正装(詰襟の背広)を着てくださって、かっこいい~。

たまおがあこがれていた「アウトバーン」を200キロ近いスピードでビュンビュンとばして、ミュンヘン国際空港へ。

南北に滑走路を持つ超近代的な空港は中央にターミナルビルと巨大な立体駐車場があり、なんだかメタリックな感じ。

ユミさん御夫婦がスイスエアーの搭乗担当者とお話をしてくださり、チケットをちぎってもらい、手続き完了。

ジュネーブで乗り換えの時、もう一度チケットを出してくださいと言われました。

私たちは、ご夫妻に心から感謝して、日本での再会を約束し、ミュンヘンを飛び立ったのです。

 

 

機上より、ボーデン湖・フリードヒスハーフェン(ツェッペリンの本社工場)・ヨーロッパアルプスのアイガー・メンヒ・マッターホルンなど等たまおは感動し、見とれていました。

2時間はあっという間に過ぎていき、さあジュネーブです。

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ここから二人の旅は、まったく突然に、無謀な旅人を待ち構える大きな迷路に迷い込んだのです。

事件の顛末

69日 午前10時

ここミュンヘン国際空港で乗り換えて、パリへ向かうはずでした。

手続きをしようとチケットを持って並んでいると、フランス人らしきアシスタントが、たまこのチケットを見て「飛行機に乗れません」って言うんです。いったいどうしたのでしょう。

ジュネーブからパリ行きのチケットがない!

パリからチューリッヒの帰りのチケットしかないんです。

この旅行に際して、旅行会社のコンチさんから、チケットはすべて日程にしたがって順番に並べてまとめてしっかり留めてもらっていました。それを、搭乗の際に、1枚ずつちぎってもらって、ここまできたのです。

チェックインリミットまで15分。

慌てて国際電話で、コンチさんにSOS (時差のことなど考えもせず)スイスエアーのカウンターに行って相談という事で、タマオは必死の英語でカウンターの中年女性に話をするが埒があかない。

国際電話でコンチさんに代わってもらっても機嫌の悪いそのカウンターの女性はめんどくさそうにブツブツと・・・・。

そして、両手を広げて、本当に最悪!って顔をして 「 オー マイ ゴット! 」と言ったのです。
 エーーーーー!それはこちらのセリフでしょ。

思い出しても忌々しい!
(あっ 思わず汚い言葉を使ってしまいました)

止めることのできない時間、無情にも、飛行機は定刻どうりに飛び立ったのです。

それは自分自身のふがいなさと、頼りなさで、二人の間に、ちょっぴり亀裂が入った瞬間でした。

彼女は押し問答をしながら、パソコンを打ちキャンセル待ちをサーチ

「今日の便には空きがない」      なんて意地悪言って・・・・

ようやく、今晩19時30分の飛行機に乗ることが決まりました。

ここは、空港という事務的な白い箱の中  
  
さあ、これから半日どうしよう。

そんな二人に、携帯電話の向こうからコンチさんが 「レマン湖でも観光してくれば。」と大胆なアドバイスが!

二人は、不安渦巻く胸のうちを握りこぶしに必死に押し込め、勇気を振り絞って、出発しました。

彷徨えるスーツケースのことなどすっかり忘れて・・・・・

さすらう旅人

69日 昼過ぎ

地図もない! 知識もない!  

まったく予定になかったレマン湖の観光に出かけようと、広~いジュネーブ空港を彷徨う二人。

味方は、もはや勘だけです。

「ここを出てもいいのかな?」

なんてドキドキしながら通路を進み、飲食店、お土産屋を通過しさらに進んでいくと、通路は電車の駅につながっていました。

タマオはあちらこちらの柱に置いてあるパンフレットを集め検討します。

ここは国際空港駅、次が目的地ジュネーブ中央駅(通称コルナヴァン駅)です。

ユーロしか持ってないけれど・・・・・チケットは買えるのか・・・・悩んだすえ

1台だけあったユーロ表示の券売機で、チケットを購入。

近くにいた案内係りに、チケットを見せ たまこは捨て身の質問

「ディス チケット ジュネーヴOK?」

不思議なことに変な英語が通じたらしく、

「あっちの乗り場ならどれでもいける」 (たぶんそう言っていたと思う) と指差し、教えてくれました。

エスカレーターを降りた薄暗いホームから未知の世界へ出発です。


レマン湖

69日 午後

山登り用のザックを持った数組の旅行者に混じって、

不安顔の二人を乗せた電車はコルナヴァン駅(ジュネーヴ中央駅)に到着。

人の流れに沿って出口へ向かうと、目の前が、バスターミナル・市電乗り場があります。

レマン湖はどっちだ!   湖は低い場所に違いない。

と、いう事ですぐ目の前の坂道を下ることにしました。

 

 坂の途中から、水面が見え始めました。

下りきったところ(モンブラン広場)で、

もう間違えありませんレマン湖です。

これがかの有名な、大噴水です。


 

 

ヨットの帆を思い起こさせる水柱は100㍍以上もの高さに、勢いよく吹き上がっていて爽快です。

 

ブリュンズウィック記念碑

とりあえず、レマン湖沿いに左手方面へ行ってみました

緑豊かな広い公園(モン・ルポ公園)が続きます。

 

 

チラッとヨーロッパアルプスが・・・

 

 

 

そうです、ここは日本でもおなじみの水、『エビアン』のふるさとです。(このレマン湖沿いにエビアンという町があります)

そういえば、さっきも公園で遊ぶ地元の子供たちが、砂場の水道でじゃんじゃん水を出し、ごくごく飲んでいました。

そうか、ここの水は飲んでいいんだ! 

この旅行中、毎日、ペットボトルの水を買っていましたから水道水が飲める幸せを実感しました。

空きペットボトルに水を詰め、木陰のベンチで休んだりしながら公園を抜け大通りへ。

国際連合ヨーロッパ本部

 

 

 

 

 

 

ステキな小学校

 


そして、まだ時間はありましたが、地図を持たない私たちは、迷わないうちにと、駅へと戻りました。

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町の一部しか見てはいないけれど、どこかに寂しさとよそよそしさを漂わせる町です。

だだっ広いからかな~?

いや、さらに広がった私たち二人の疲労感のせいだったかも・・・。

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駅前で、若い女性が見慣れたロゴの缶コーヒーを配っていました。

そう、世界ブランド・ネスカフェの缶コーヒー。

二人は、それをまるで旧友に出会ったようなうれしさで受け取ると、

ホームで一気に飲み干したのです。

ヨレヨレの日本人夫婦に、缶コーヒーを差し出した美しい天使とそのコーヒーの甘さに

最大限の賛辞を贈ったのは言うまでもありません。

つづく

 
 
 



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